こんにちは、豊田ふみこです。
なぜ、このような「真知の探求としての美学」への道を歩むことになったのか。
当真美研究所で扱う情報は、協力機関である東京官学支援機構(TASO)とTASOが主催する人文知普及と研究の会員制サロン東京美学倶楽部の資料をもとに提供しております。
そこで、今日はTASOの活動についてお伝えしてまいります。
Contents
人文知とは?
人文知とは、ご存知のとおり、宗教、哲学、文化、社会など、人生をいかに生きるべきかを考えるための教養です。人のこころを育む土台ともいえるもの。いわば、民度の基盤になるものです。
TASOは「国とともに人文知を守る」という理念の下、この人文知を守るための様々な貢献活動を推進しています。
貢献先は、政官学という公的領域にフォーカスしており、民間(在野)とは一線を画している団体です。
具体的な実績としては、東大をはじめとする官学への支援、与党幹部議員からの承認、等々があります。
私たちの実績は、コンテンツも含めた個人という「人」に依存せず、権威のある「組織」と対峙して積み上げてきたものになります。
支援先には、公的機関、中央官公庁の行政法人、公益法人、国立大学などがあります。
TASOでは、教育よりもその大元、すなわちメタ領域であり、将来的な学術の奉仕に携わる「研究」を支援しています。アカデミズムの最上位に支援することで、最先端の情報を入手しています。
日本のアカデミズムや人文知の研究の現状
こうした支援活動や国の組織との連携を通して、明らかになったことがあります。それは、日本のアカデミズムや人文知の研究の現状です。
具体的には、現代哲学が日本のアカデミズムの最前線で、どういう研究がなされているか、どのように学生たちに教えられているかを知りました。
人文知に代表される本来の哲学の役割とは、何もないところに地図を描き、そして学問がその地図を解明したり、実際に見ていくという図式でした。
しかしながら、科学一強の時代において、人文知に代表される哲学は「科学哲学」と名乗り、もはや科学のサポート役のような形になってきています。
それは「どうやって、科学の発展に活かすか」という視点であり、今やその「真理を探究する」というのは、むしろ科学の役割になってしまいました。
真理を追い求めるはずの哲学が方法論になっており、科学と実学に支配され、もはや真の人文知とはいえなくなっていること。我々が守るべき人文知ではないということ。
そうであるならば、アカデミズムを突き抜けるしかない、ということでメタアカデミズムに移行しました。

真の人文知を守るために
もちろん科学の発展は、我が国の未来にとって欠かせない最優先事項のひとつです。
しかし、AIをはじめとする機械を動かすのは、結局は人間です。どんな思想でそれを創るのか、発明するのか、ということによって使われ方も変わっていくのではないでしょうか。
科学だけを追求していくと、行き過ぎた市場原理主義になっていき、倫理観などが置き去りになっていきます。実際問題として、今話題のChat GPTでもこうした問題が挙がってきています。
本来、人文知のようなお金にならないけれど大切なものは、市場原理を超越した権威、すなわち国の庇護下において守らなければなりません。しかしながら、国も結局、役に立つものにしかそんなにお金は使えません。
実際のところ、民間が何かを支援するというと、科学や医学であり、お金にならないものを民間は支援しません。
だからこそ、TASOのような団体が国に代わって(国とともに)守っていく必要があると考えています。
支援は、もちろん寄付活動だけはありません。寄付行為により「支える」だけではなく、むしろ、人文知の価値を「伝える」ことや時間をかけた貢献が必要であることもわかりました。
そのため、TASOの支援のあり方は、支える、伝える、学ぶの三つの柱を軸に社会貢献活動をしています。
伝える活動
「伝える」活動の一つとして「東京官学データバンク」を設立しました。
支援活動する中で、国でも予算がつかず手がつけられていない人文知に関する膨大なデータがあることを知りました。
しかし、写真データとしてアーカイブされているものも多く、検索にも引っかかってきません。そこで、テキストデータに書き換えた上でデータを分析、整理し、アーカイブし直すことをしていきます。
これは日本におけるメタ人文知の学術情報に特化したデータベース構築プロジェクトであり、哲学や美学といった分野における20万件以上の資料をデータベースとして構築しています。
こうしたデータベースは、ゆくゆくは中学校や高校にも納品できるレベルまでにする予定です。こうした地道な実作業の国策支援活動も無償でしております。
そして、「研究する」場として「東京美学倶楽部」を設立。美学や哲学、文学に代表される人文知の普及をビジネスやコンテンツを通して推進する活動をしています。
東京美学倶楽部は、最高学府と関わってきた経緯と実績を土台として、東洋知にも西洋知にもとらわれない日本知、メタアカデミズムを志向しています。
アカデミズムは、今の権威に認められた学問領域、大学、大学院を指しますが、上述したように、現在日本のアカデミズムに人文知は存在せず、あるのは人文科学のみです。
メタアカデミズムは、あくまでもアカデミズムとの関わりを経由して辿り着いた領域になります。
現在国が認めている人文知(西洋哲学やリベラルアーツ)から、日本の未来のために国が庇護すべき真の人文知へ。
日本特有の美学、真美の探求のあり方を、共に学び、考え、伝える力を身につける。
この使命の元に東京美学倶楽部は存在し、当「真美研究所」もその一環としての活動となります。